五輪開幕前夜に思う日々雑記
20210722
今日22日は臨時の祝日で、午後は家でダラダラとネットをしながら、再放送していた「いだてん」の総集編を観ていました。本放送中は面白く引き込まれ、放送開始から最後までしっかり付き合ったドラマです。
多くの人たちの夢と情熱が注がれた64年東京五輪。日本におけるオリンピック黎明期から、国民の期待を背負って競技に臨んだ選手たち。日本で五輪をという思いを実現すべく世界を駆け回り、経験も前例も何もない中でついに招致開催に成功したスタッフたち。日本初の五輪を作り上げた群像の物語でした。
これを放送していたのは、ほんの2年前ですよ。ひるがえって本来だったら、明日に迫った開会式をどれほどワクワクして迎えようとしていたことでしょうか。
2020東京五輪がコロナ禍に見舞われたことは圧倒的な不運でした。どうしようもありません。聖火リレーも満足な形で行われず、選手らの感染のニュースが連日伝えられ、開催地東京の感染拡大はこれまでで最大級になるのではと危惧されています。
しかしその他にも「人災」がありすぎました。メイン会場となる新国立競技場建設の不可解な決定。当初予算を作った意味もないほどの経費増大。エンブレムデザインの盗作騒ぎ。豊洲市場移転遅れによる幹線道路の未完成。予想される酷暑への冗談としか思えない対応策。森組織委員長の失言と辞任。開閉会式を企画担当する責任者の意味不明な交代。IOCとの信じがたい不平等条約と、五輪貴族たちの傍若無人で無神経な言動。…
そしてここ数日は、作曲担当者らと演出担当責任者の過去の行状が発覚しそれぞれ辞任解任となり、明日の開会式がいったいどうなるのか見当もつきません。これ、明日の話ですよ!関係者の方々はもう、何日連続で徹夜していることやら。
昨日からサッカーとソフトボールが開会式に先立って始まっていますが、空っぽの客席のむなしいこと。いろいろ考えがありましょうが、スーパーコンピューター富嶽が感染リスクはほとんど増えないとお墨付きを与えているのです。せめて子供たちくらい、入れてあげればいいのに。(子供は帰りに飲み屋で大騒ぎすることもないでしょう)
開会式には世界の要人はじめ多くの来賓が並ぶはずでしたが、欠席表明が相次ぎ(来なくていい人もすったもんだの末、やっぱり来ない)スポンサー企業のトップたちさえ出席しないといいます。五輪を招致した安倍前首相も出ないというのは、どうみても敵前逃亡ですよねえ。
「いだてん」のタイトルバックに映される、64年五輪の国立競技場を埋め尽くした観客を見るたびに、彼らがこの歴史的な場に居合わせ興奮を分かち合えたことをうらやましく思い、2020年の自分の番を夢見ていました。今回申し込んだ開会式のチケットは当選せずがっかりでしたが、それでも日本での五輪をリアルタイムで体験できることは人生にもうないだろうと、心から楽しみにしていたのです。
ドラマを見ながら口惜しさで涙が出ました。
本当に情けない。なぜ、こんなことになってしまったのか。