池江璃花子、驚異の復活日々雑記
20210405
19.2.12の本欄で「がんばれ池江璃花子」と応援のメッセージを書いてから、わずか2年です。昨日行われた競泳日本選手権の100mバタフライでみごと優勝し、東京五輪メドレーリレー代表に内定しました。短期間にこれほどの復活を遂げようとは、誰が予想したでしょうか。
白血病の発症から10か月の入院を経て、退院後初めてプールに入った様子をNHKの密着取材で前に観ました。小学一年生のようにそろそろと水に浸かった彼女のやせ細った姿に、前途の険しさを見せつけられたような気がしました。この時はまだ、顔を水につけることさえ禁じられていたのです。
半端でない抗がん剤治療の苦しさ。病気の前から最大で18㌔体重が落ちていたとのことです。今は9㌔ほど戻したが、なかなか体重が増えず苦労していると昨日のインタビューで言っていました。食事のあとラーメンを食べたりして(!)脂肪を増やそうとしているそうですが、そんなもん、俺のをいくらでも分けてあげますのに。(いらん)
慌てなくていい、ゆっくりゆっくり回復してくれればと周囲の誰もが思っていたでしょう。病に臥せった10か月のブランクはアスリートにとってあまりにも大きい。本人も東京は諦め、4年後のパリ五輪に目標を切り替えて練習を再開したと聞きます。
少しずつどころか、復帰後の競技会では出場するごとに記録を伸ばしてきました。休養前のタイム、自身の持つ日本記録にはもちろん及ばないのですが「以前の『池江璃花子』とは違う。復帰した今は1回1回、自己ベストを更新している気持ち」だと彼女は言います。でもこの回復ぶりを見ると、そう遠くないうちに本当に自己記録を更新してしまうのでは、とまで思ってしまいます。
彼女は本番に向けて力を高めていくコンディション作りがとても上手で、決勝で最高のタイムを出せる人だと解説者が言っていました。これまでに培ってきた技術は錆びていません。そして体力が回復すれば、これまでとは違う次元のスイマー池江璃花子を私たちは見られるかもしれません。何しろ、まだ二十歳なのです。
アスリートの人が「皆さんに感動を(元気を)与えたい」みたいなことを言うのは、好きではありません。でも、これほどの逆境を不屈の精神力とたゆまぬ努力で跳ね返してきた彼女を見て、感嘆とともに勇気を貰った人がどれほど大勢いることでしょう。
病気が病気です、決して無理することなく、自分の夢に向かって進んでいってほしいと心から願います。 もう一度言いたい。 がんばれ、池江璃花子。