僕らの山食を救え (1)日々雑記
20210129
飲食業全般が大変な危機に瀕していることは、本欄でも何度も述べていますし皆様ご案内の通りです。飲食店の大きなくくりの中ではちょっと離れたところにあるのが、大学などの学生食堂。こちらが苦境に陥っていることは、あまり報道されていないと思いますが、考えてみればすぐに想像がつきますね。
現在、小中高等学校、そして職場も(いちおう)普通に人が集まって授業や業務が行われている一方で、大学だけがキャンパスに人を集めて行う講義が制限されています。当然の帰結として、学食で食事する人も激減しています。
学食の経営母体は、大学本体であったり大学生協であったり(運営はもちろん給食業者が請け負ったりしているでしょうけれど)すれば、苦しい時期でもある程度赤字を吸収することもできるでしょうが、業者が個人店として経営している場合はコロナの影響は食堂の存続にかかわる甚大なものです。
慶應義塾大学三田キャンパスには複数の学食がありますが、83年という長い歴史を持つ「山食(やましょく)」という食堂があります。長年にわたって慶大生の食を満たし、かの有名な「ラーメン二郎」とともに塾生のソウルフードとまで呼ばれている山食が大ピンチだ、というニュースが伝えられました。
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(ダイヤモンドより、経営者の谷村忠雄さんの話)…前年比で80%ほど減っています。月によってはもう100%減。つまり0円です。大学には職員、教員の方が少しいましたけれど、もうこれじゃ営業しても何の意味もないと思って、大学に相談して5月と8月は丸々閉めていたんです。通算では3カ月分ぐらいは休業していたかな。
感染防止対策のために162席を50席に減らして営業していますが、そもそも大学に来る人が少ない。ランチだけではなく、年60~70件あるパーティーもコロナ禍ではできず、今は0件。大変な影響です。
8月に銀行から500万円の融資を受けました。ですが給料などの諸経費は月150万円ぐらいかかってしまいます。借り入れたお金は3カ月しか持ちませんでした。
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テイクアウトや出前なども検討しましたが、「出前はオートバイや自転車で外部の人が大学内に入ってきますので、大学も許可を出すのが難しい。お弁当もキャンパスの外で売らないと意味がないのですが、その売る場所がなかなか見つかりません」ということで実現できず、いよいよ大ピンチになった山食。
大学に相談したところ、クラウドファンディングをしたらどうか、と提案されました。