今年の一皿 2020食べもの
20201212
ぐるなび総研が主催している「今年の一皿」が先日発表されました。2014年に始まりまだ歴史は浅いですが「優れた日本の食文化を人々の共通遺産として記録に残し、保護・継承するためにその年の世相を反映し象徴する食」を選定しています。去年は「タピオカ」、一昨年は「鯖」でした。
外食受難の今年において食文化に名を遺すようなヒットは難しいと思っていたのですが、選ばれたのは「テイクアウトグルメ」でした。発表当日のTV欄を見ると、ニュース番組など軒並み「今年の一皿は?」と特集を組む気満々だったようですが、ちょいと拍子抜けしたのでは。
選定理由として以下が掲げられています。
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・新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、新たな収益源としてテイクアウトを開始する飲食店が急増した。ラーメンや高級料理、アルコール飲料など多種多様なメニューが増え、包材にも工夫が見られた。販売方法においても事前予約決済や店頭以外での購入など選択肢が広がり、テイクアウト市場が大きく進化した。
・生活様式が変化し在宅時間が増えるなかで、自宅でも手軽に飲食店の味を楽しめるテイクアウト需要が高まった。また外食の楽しさや飲食店の存在価値を再認識し、テイクアウトを通じて消費者が飲食店を支援する動きも見られた。
・今後も外食を楽しむ方法としてテイクアウト利用が継続し、新しい日本の食文化として定着する兆しがみられる。
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どうですかね。テイクアウトが外食の楽しさを再認識するきっかけになったとしたら、それはテイクアウトでは叶えられない、空間や人の交流の大切さだったのでは、という気もします。これがコロナ後も定着したとして「新しい日本の食文化」とまで言えるかどうか、ちょっと何とも言えません。
古くからあった「出前」の文化が廃れようとしていたときに、ウーバーイーツのようなフードデリバリーがそれにとって代わる存在になろうとしているのは興味深いですが、「テイクアウト」とは違いますよね。
選者の方々も「これが今年の一皿でいいの?」と迷ったのではないでしょうか。他にノミネートされたのは「シャインマスカット」「代替肉」「ノンアルコールドリンク」とのことです。私も前二者は候補かなあと思っていましたが、今年を代表する存在というには、ちょっと小粒です。
2020年がこういう年だったということを記憶に残すには、こういう選定も有り、ということですかね。ちょっと残念。
関連リンク: 今年の一皿 (ぐるなび)