山賊焼食べもの
20200918
塩尻や松本のローカルグルメとして定着している山賊焼。今では我が家近所のスーパーでも惣菜売場で普通に見るようになりました。
私が山賊焼の存在を初めて知ったのは小学生のときです。学校の帰り道に「梨花」という古びた食堂があって、そのショーケースに骨付き鶏のサンプルが置かれ、山賊焼(サン ゾク ヤキ と振り仮名を振ってあった)というプライスカードが付いていました。値段がいくらだったかは覚えていません。
このサンプルはちょっと小さめでこれまた古びていましたが、骨付きのトリモモ焼が当時一番の大好物だった私にとって、誕生日のご馳走だったトリモモを食堂で食べられるんだ、いつか食べてみたいなと思いながら下校していました。当社のお得意様だった梨花さんは20年近く前に閉店し、ついに頂戴する機会はありませんでした。
山賊「焼」というものの、実際はニンニクや生姜を効かせ片栗粉をまぶした唐揚げです。名前の由来で、山賊は大切なモノやお金を「とりあげる=鶏揚げる」ことからだという説がありますが、かようなネーミングはちと信じがたい。塩尻の山賊というお店が始めたものだという説を私は採ります。
実はこれまで本場のものを食べたことがなく、塩尻の「正和食堂」というお店の山賊焼を前にTVで観て美味しそうだったものだから、近くで用事のあった折に土産にテイクアウトしてきました。予約していったのですが、フレンドリーな老夫婦がとても丁寧に歓待して下さり、恐縮してしまうほど。
持ち帰った品は写真の通り。巨大な一枚のモモ肉にムネ肉の塊までついていて(写真は2人前)一人前で人の顔くらいの大きさがあります。もう、デカさに圧倒されちゃって…
こんなのとても食べられそうもないと思いましたが、サクサク軽やかな衣とトリモモ肉のしっかりした味わいに、私も妻もみるみる完食し、お腹はいっぱいになりました。さすが評判の名店です。
地域に愛され育てられてきた立派なB級グルメだと思います。
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