エール読んだり見たり
20200613
作曲家、古関裕而をモデルにした朝ドラ「エール」。再放送中の「はね駒」と共に、録画して毎日観ています。始まった頃はやや退屈でしたが、主人公が上京、結婚してから話がずいぶん面白くなりました。
大手のコロンブスレコードと契約したものの、ヒット作を出せず腐っていた主人公古山裕一。早稲田大学応援団から応援歌を依頼され、苦心の末に名曲「紺碧の空」を作曲したエピソード。学生時代にさんざん聞かされた歌ですからよく知っています。当時まったく無名だった若者によく頼んだものです。私ゃまあ「若き血」の方がずっと名曲だと思いますけどね。
翌週は東京音楽学校で声楽を学ぶ妻、音(おと)がオペラ「椿姫」の主役オーディションに挑む話。市井の男女の機微を知ろうと、カフェーでアルバイトをする音。
先輩の女給は、裕一の親友、鉄男の元交際相手だった。娘を鉄男と結婚させたいと考えた勤務先の社長が、手切れ金を渡し無理やり別れさせたのだった。…このいきさつは、椿姫のストーリーの引用になっています。ふんふん、凝ってますね。
起死回生、「船頭可愛や」が大ヒットしてようやく息を吹き返した裕一。私の子供の頃、家に何枚かのSPレコードがあったのですが、音丸だか市丸だかの歌うこの曲もあったような気がします。「天竜下れば」は市丸の方だったかな。むかし祖父が購入したものだと思います。
登場人物の命名が実に安易にモデルをもじっていて、笑えます。古関裕而→古山裕一、山田耕筰→小山田耕三、古賀政男→木枯正人、大歌手三浦環→双浦環)、作詞家野村俊夫→村野鉄男などなど。コロンブスレコードはもちろん、コロムビアレコードのもじり。
音を演じる二階堂ふみ、いいですね。前からいい女優さんだと思っていました。「地獄でなぜ悪い」「蜜のあわれ」の二階堂ふみと本作の彼女を結び付けるのは難しいです。主役の窪田正孝、頼りない演技がまことにじれったいですが、そういう役どころですからしょうがないね。
さてこれからという時に、コロナのため収録ができず当分放送中断とは、そりゃないよ。来週の予告によれば、これまでの物語から派生した脇道のエピソードをアナザーストーリーと題して放送するのだそうです。それはそれで面白そうですが、本筋のお話は、さていつ再開するのでしょう?