七久保鼓笛隊音楽ばなし
20191120
以前はあちこちの小学校に「鼓笛隊」があって、運動会の時など可愛らしい行進を見せたものです。私の通った小学校にも、私が入学した頃まであったんじゃないかな。今はトランペット鼓隊や金管バンドにとって代わられ、鼓笛隊という言葉を聞く機会も少なくなりました。
隣町の小学校で、ずっと休眠していた鼓笛隊が復活したという話を聞いたのは何年も前の事です。鼓笛隊といっても笛はなく、太鼓やシンバルなどの鼓隊、今どきのカッコいい言葉で言うと「ドラムライン」ですね。保護者に昔の同級生がいて、春日君にドラムマーチを作曲してほしいと頼まれました。
いちおう何十年も打楽器をやってますから、簡単なドラムマーチの1曲や2曲はすぐ作れます。実際に子供たちの様子を見たわけではないので、彼らのレベルがどのくらいなのかわかりませんでしたが、低学年の子もいるなら16分音符は難しかろう、8分音符までだけを使って(つまり、細かい音符は抜き)1曲作ってプレゼントしました。
それから何年経ったか、復活10周年を記念してコンサートイベントをするということで、ご招待をいただきました。子供たちだけではそう何曲も演奏できる曲がないため、中学の吹奏楽部、大人のビッグバンド、和太鼓グループなどに賛助出演を依頼し、それぞれのステージと合同演奏をするとのこと。
行ってみたら思いがけず来賓として遇され、一番いい席に座らせてもらい(もっときちんとした格好で行けば良かった)何と作曲者として挨拶する場面までありました。私の作った「ドラムマーチ七久保」は冒頭の入場曲として演奏されましたが、聴いてみて「へえ、意外といい曲じゃん」というのが正直なところです。
今は楽器の種類も増え、きちんとした指導者に定期的にレッスンを受けているそうで、もちろん16分音符だって普通に叩いています。その中で私の曲は(何と言っても簡単ですから)基本のレパートリーとして使われていて、子どもたちもしっかり身につけて自信を持って演奏しているようでした。
楽しいコンサートでした。自分の書いた曲がこうして長く使われているのは不思議な気持ちですが、とても嬉しいことです。