社長たちの正念場日々雑記
20101018
えらい番組を見てしまった…
日曜夜9時、N響アワーを子供と将棋をしながら見ていました。10時になって番組が変ったと思ったら、中央道の映像とともに「東京から伊那へ何度となく通って…」とのナレーションが。思わず画面に引き寄せられました。
ETV特集「再建は可能か 社長たちの正念場」。新聞のテレビ欄には伊那という地名がなく見るまで分りませんでしたが、不況にあえぐ地域の中小企業を扱った1時間のドキュメンタリーで、伊那、駒ヶ根、飯島の会社が何社も登場しました。私の直接知っている方も何人か。
地元の信金さんが融資先へのサービスとして、コンサルタントによる経営指導を始めて何年かたちます。先の見えない苦境の中、コンサルと企業は土壇場の現状をどうやって打開していくのか。
何しろ仕事がない。あっても値段がとんでもなく安い。完全に採算割れの仕事でも、受けなければカネが回っていきません。「腐った肉」だと分かっているのに、食べなければ餓死してしまいます。食べれば案の定お腹を壊し、いっそう体力を奪ってゆく悪循環。
今ではさびれた、かつての地域一番店を守っている老夫婦。自分たちは給料を取らず、逆に年金をつぎ込んで(どんどん貯まる一方だとご本人たちは言うのですが?)店を存続させていこうとする。
コンサルによれば、依頼を受けた中小企業の「3割が再生可能、4割は延命可能、残りの3割は即刻廃業すべき」だといいます。傷を広げないためには、先の見えない仕事をずるずる続けていくよりも、引き際を見極めよということですが、経営者はおいそれと「わかりました」とは言えません。
登場した会社の内容はいろいろで、中には明るい光がみえつつある会社もありましたが、どうやっていくんだろう、と案じられるケースも多く、深刻さがひしひしと伝わりました。何たって地元です!もちろんこの地域だけのことではないのですが、身近な経営者たちの苦難をこうして目の当たりにし、まさに生き残りを賭けた戦いの真っ只中に自分もいるのだと思います。
私たちだって他人事ではないです!外食は、世間の景気に少し遅れて好況不況が現れる業種といわれます。私たちの商売にも、こうした影響は少なからず影を落としているのです。地域の皆様に、そしてお得意様に元気になっていただくことが、回って当社の元気につながることを肝に銘じて、仕事をしていかなくてはなりません。
正念場です、本当に。
関連リンク: ETV特集