プリンセス・トヨトミ読んだり見たり
20110704
その日
大阪が
全停止した。
大げさな映画の宣伝に興味を惹かれましたので、映画ではなく万城目学の原作本の方を買ってみました。出張の行き帰りの車中でほぼ読了しました。
(ネタバレはありません)
これは、面白いですね。発想は奇想天外だ。小ワザが効いているといいましょうか、小気味良いパンチが次々に飛んでくる感じです。
大阪に何百年にもわたって伝えられてきた秘密。いや本当を言うと、金額から言っても指令実行の内容から言っても、それ自体はそんなに壮大な物語ではないのですが、その辺が大阪っぽいというか。(私、大阪にはそれほど馴染みがないもんですから、イメージだけで申しております)
登場人物たちも何となくマンガみたいではありますが、魅力的です。
途中から「父と息子」というテーマが表に出てきます。これには、やられました。私自身も数年前に父を送っており、一方で2人の息子の父親でもありますし。自分の体験と結びつけることなしには、読めません。
クライマックスのイベントが終わり、ここでお仕舞いにすればいいのに、という場面の後で、延々と伏線を回収するのはやや興醒めではありましたが…それはそれで面白い後日談ではあるのですが、もっとサラッとした結末にすれば、また読後感が変ったかも。
でも、なかなか、楽しめましたよ。
ところで何で映画化するとき、主要人物の性を簡単に変えたりするんですかね。旭役が原作のイメージで務まる女優は、なかなかいないかも知れませんが。(滝川クリステルは、女優じゃないし)