「おいしいことなど徒然と」

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トライアングル (1)音楽ばなし

20171108



どなたでもご存知、幼稚園児にもお馴染みの楽器。叩けば誰でも音が出ますから、私たち打楽器奏者がいろんな方から「打楽器なんて簡単でしょ」と素朴な感想を言われるとき、相手の方の脳裏にはきっとトライアングルかお遊戯のタンバリン、お猿のシンバルの玩具あたりが浮かんでいるに違いありません。


今週末、伊那フィルの定期公演で久しぶりにトライアングルをたくさん叩くことになりました。少しばかりこの楽器への思い入れや豆知識などを書いてみようと思います。


実際には、なかなか奥の深い楽器であることは言うまでもありません。難しいリズムを打つテクニックというよりも、「よい音」の追求に心を砕きます。楽器の構造がシンプルなので、楽器自体の良し悪しも大きく影響します。


写真は私がずっと前から使っている米国製「アラン・エーベル」という楽器で、名門フィラデルフィア管弦楽団の打楽器奏者エーベル氏が作ったものです。独特の形で知られ、日本での愛用者も結構いらっしゃると思います。別にもう1本、ドイツ製「studio49」の大きなサイズのものも持っており、こちらは素晴らしく倍音豊かなリッチな音の楽器です。エーベルもとても美しい音ですが、スタジオ49と比べるとシンプルで素直な音で、曲によって使い分けています。


私は知る由もありませんが、昔の楽器にはそれは素晴らしい響きを持つものがあったそうで、それは素材の鉄そのものの違いだそうです。昔の鉄は今よりもずっと多くの不純物を含んでおり、それが豊かな倍音の基になっていたのだとか。外国で、築100年を超えるような鉄筋建築を解体する話があると、現場へ駆けつけて手頃な鉄棒を拾い、上手に曲げて楽器にしたなんて話を聞いたことがあります。ホントかな?


バチ(トライアングルのバチはビーターといいます)は10本組のセットを揃えて使い分けています。総じて太めのものを使うことが多いですね。そうそう、楽器を吊るす紐も大事で、私は太目の釣り用テグスを使ったりしますが、本当はガット(羊腸)を使ったハープの弦の切れ端を使うのがいいとか。ナイロンは振動を吸収してしまうが、ガットは固いのでむしろ振動を妨げないと言われます。


良い楽器は、ビーターが楽器に当たる位置や角度で驚くほど音が違うのです。1本の楽器がこんなに多彩な音を生み出すことができる…これも技術のうち、というか、これこそが技術ですね。楽器は音楽のための素材ですから、いかにその場に合った音を選び抜いて提供できるかが打楽器奏者の命です。

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