タックスヘイブン日々雑記
20160409
今週後半は、バドミントン選手のカジノ通いやセブン会長退陣など、大きなニュースが続きました。その中で「パナマ文書事件」はもっと大きく取り上げられてもいいと思いますが、まだちょっと地味な扱いのような気がします。
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(ロイター)租税回避地への法人設立を代行するパナマの法律事務所の金融取引に関する過去40年分の内部文書が流出。各国政府は4日、各国指導者や著名人による脱税など不正取引がなかったか調査を開始した。
「パナマ文書」と呼ばれる機密文書にはロシアのプーチン大統領の友人のほか、英国、パキスタンなどの首相の親類、ウクライナ大統領やアイスランド首相本人に関する記載があり、波紋は世界中に広がっている。一部報道によると、サッカーのスペイン1部、バルセロナのリオネル・メッシ選手の名前も挙がっている。
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法律上は瑕疵がなくても、国民に納税を義務付けている政治家の名前が出るのは、いかにもまずいですね。既にアイスランドの首相は退陣に追い込まれています。民間であっても、企業イメージも少なからず悪くなるでしょう。
習近平氏の親族の名前もあり、中国ではこの件で厳重な報道規制がかかっているそうな。NHKの海外向けニュースは中国でも放送されていますが、番組がこの話題になった瞬間に画面が真っ黒だか真っ青だかシャットアウトされているのだと。今さら驚きません(習氏の名前が出たことにも、報道規制にも)。ひょっとしてこの記事のために、当ホームページも中国から見られなくなったりするのでしょうか?
今回明らかになっているのはとにかく膨大な量のデータで、2.6テラバイトにものぼる…といっても全然ピンときませんが、我々の使っているパソコン数台分がこのデータで埋め尽くされている位のものだそうな。まだまだこれから幾らでも有名人・大企業の名前が出てくるだろうと言われます。
日本の個人や企業の名前も既にいくつかリストアップされていますが、こんなものではないかもしれません。日本の政治家の名前がないのは、言葉の壁でこうした裏取引をする能力がないからだ、なんて情けないことを言うひともいますが。
100万200万の話ではない、何兆㌦という話です。こういう情報漏洩ならどんどん明るみに出してほしいもの。フェアな取引や納税を愚弄するような実態がのさばっていることに、鉄槌を浴びせてほしいです。
ところで、租税回避地と訳される「タックスヘイブン」とは税の天国…tax heaven だとずっと思いこんでいました。heaven ではなくてhavenなのですね。「港、停泊所」から転じて「避難所」の意味だそうです。お恥ずかしいが、勉強になりましたわ。
(そもそもheavenはヘイブンではなくヘブンですし)