70年目のお盆日々雑記
20150816
連日35度近くの猛暑が続いてきたのが嘘のような、涼しい盆の入りでした。13日の朝は、いよいよ稼ぎ時なのにここで雨かよ!と思いましたが、間もなく雨はあがり、やわらかな陽光が。どうやら4日間、まずまずのお天気となり、暑さも少し収まった感じです。
14日には注目されていた安倍首相の「戦後70年談話」が発表されました。当初首相は、村山談話を上書きするのだ、と大変な張り切りようだと言われていました。しかし日を追うごとに状況は二転三転し、そもそも誰に向けて何のために出す談話なのか、よくわからないような話になっていました。お詫びの文言が入るか入らないか、ばかりが話題になったこの数日間でした。
談話を翌日の新聞で読んでみましたが、私には、丁寧によく考えられているなあ…という印象です。安倍首相の悲願(?)であろう「戦後レジームの再構築」は影をひそめ、穏当な言葉で歴史を振り返り未来を語っていると思います。「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」は、ふーむなるほど、と思わせる絶妙の表現では。
実際に文案を練ったのは有識者会議の北岡伸一氏あたりなのでしょうか。おそらく安倍首相が当初想定していた談話とは、かなりトーンが違い、ご本人、あるいは保守色の強い支持層は内心納得できていないのではないかと想像します。首相はこれまでも、勇ましいことをぶち上げては内外の批判を受けて、何度も尻すぼまりの結果を出しています。
でも、今回はこれで良かったと思いますよ。何を言っても言わなくても文句をつける人たちは、主語がわからんとか何だとか言っていますが、全てが明確な疑問の余地なき文章を書いたとして、それってそんなに素晴らしいことですかね。
逆にこの安倍首相をして、結果的にこうした談話を出させることになった「一定の良識」が、今の無茶苦茶な政治にも働いていたことに、少し安堵したお盆でありました。