醤油のお勉強しごと
20150419
日本人の味覚にしっかりと刻み込まれている和食の礎、醤油。先日キッコーマンさんに提案をいただき、社内で勉強会を行いました。
醤油はあまりにも日常化している故、日頃の仕事の中で製法や分類、使い分けなどをきちんと知る機会がありません。このような勉強会は当社の営業活動においてとても大事なことだと思っていまして、折に触れてメーカーさんのご協力をいただきながらさまざまなジャンルで行っています。
醤油の原材料は何か、皆さんご存知ですよね。大豆と小麦と食塩、それを麹菌・乳酸菌・酵母の力で発酵させ搾って作ります。それぞれの原料の質や使用割合などが、味にいろいろ作用するそうです。JASでは濃口、淡口、たまり、再仕込み、白醤油の5つに分類していて、さらにその中でもより細かい特徴を持った数多くの醤油が生産されています。
卓上には数種類の醤油が用意され、それぞれの味の違いを確かめながら説明をお聞きしました。なかなか醤油だけをこうして味わうことはありません。利き酒ならぬ利き醤油。んー、難しいな。
利き酒つながりで思い出したのが、2008年に長野で観た、全日本ソムリエコンクールの決勝公開審査。テーブルに着席した何組かのゲストと会話をしながらお酒を勧め、抜栓したワインを注ぐサービス実技の課題でした。会場を埋め尽くした観客の前で3人のファイナリストが一人ずつ次々に登場し、決められた持ち時間で全力を尽くす様はまことにスリリングでした。
今でも語り草になっていますが、このときゲストの一人から「醤油の作り方を教えて」という質問がでました。(会話はすべて英語またはフランス語で行われます。このときは全員英語でした)名ソムリエたちの動揺ぶりたるや。みごとにしどろもどろでした。ワインの勉強にはものすごい時間をかけてきたでしょうが、まさか醤油とは!
かなりの意地悪問題に見えますが、考えてみれば日本を代表するようなソムリエならば、日本発、世界に広がりつつある調味料の由来くらい知っていても損はないですよね。海外のお客様を店にお迎えすれば、なるほど想定できる質問です。この場ではもちろん、正解を示すことが目的ではなくて、ゲストの好奇心をそれなりに満足させ会話を楽しんでもらえばいいわけですが。
昨今は醤油をそのままの形で使うよりも、つゆやタレ、ドレッシングなど、醤油が含まれている各種調味料として間接的に使うようになり、醤油単品での国内消費量は昔と比べると減少しています。食生活の多様化もあるでしょう。醤油は、和食ブームもあり世界が注目しています。食材に合ったさまざまな使い方を提案していきたいものです。