雲上の超人たち日々雑記
20130212
昨夜NHKでやっていた番組です。昨夏に放送された再放送でしたが、前回見たときの印象があまりに強烈で、ついつい通して見てしまいました。(一部内容が変わっており、全くの再放送ではなかったようです)
昨年2月に行われた、トランスジャパンアルプスレース。夏山の縦走レースです。そのコースがすごい。富山湾を出発し、北アルプス、中央アルプス、南アルプスをそれぞれ縦走して、静岡市の駿河湾がゴールです。もちろん全行程通じて交通機関は一切使わず、日本海から太平洋まで415㌔を最大まる7日(168時間)以内で走り抜けます。
主催者はGPSで選手たちの位置を把握してはいますが、必要最小限のことしかしてくれません。夏とはいえ天候の急変もあり、2日目は秒速20メートルの雨風に打たれる試練が選手を襲います。遭難する人も出るんじゃないかとヒヤヒヤします。選手たちは山小屋で睡眠することは禁じられ、自分で簡易テントを張り、スタート時に持参した飲食物以外は山小屋で購入します。途中でカップヌードルなんか食べてました。飲食や休憩をどこで取るかは選手に任されています。
トップ選手たち、速い、速い!一位の望月選手は初日の深夜0時に富山湾をスタートして、24時間でもう槍ヶ岳近くまで来ています。この人は山岳救助を専門とする消防士で過去何回か優勝経験があり、今回は5日以内という自己目標タイムには届かなかったものの、二位に圧倒的な差をつけてダントツで優勝しました。レース中数時間しか寝ずに歩き(走り)通したようです。
途中の関門を制限時間内に通過しないと失格になってしまいます。マイペースでレースしいつもリミットぎりぎりで通過するMr.ボーダーライン氏。今回もペースを守り、ゴール直前の静岡駅で道に迷い慌てたものの(ろくに目印もないような山道を夜歩ける人が、何でこんなところで?)30分を残して無事ゴールイン。結果、28人中19人が時間内ゴール、9人がタイムオーバーまたはリタイヤという過酷なレースでした。
優勝しても賞金も賞品もないそうで、よくもまあこんなことを…と思います。限界に挑戦して自分の力を試すことに加え、登山そのものが持つ醍醐味が相まって、つわものたちを呼ぶのでしょう。まさに超人の名にふさわしい選手たちです。
一番驚いたこと。レースのコースは中央アルプス空木岳から平地へ降り、南アルプスの登山口である長谷の市野瀬まで伊那谷を横断するのですが、駒ヶ根市街地中心部を通っているのです。何とすべての選手が我が家のまん前を通ってゴールへ向かっていたんですよ!全く気づかなかったし、そもそも大会の存在も知りませんでした。毎年開催ではないらしく次回はいつのことかわかりませんが、今度の大会ではぜひ超人たちに励ましの声をかけてあげたいものです。
関連リンク: トランスジャパンアルプスレース