モーツアルトの午後音楽ばなし
20120304
毎年この時期には伊那で「音楽史コンサート」という催しが開かれ、小学生から地元で活動するプロの音楽家まで、愛好者たちが日頃の成果を発表する貴重な機会となっています。私も何度か指揮者として出演させてもらっています。今日の午後はそのコンサートが行われました。
今年のお題は「モーツアルト」。ピアノ連弾、弦楽5重奏、歌、フルートなどさまざまな形態で大作曲家のさまざまな姿に迫ります。私は「ホルン協奏曲第3番」を指揮、「レクイエム(抜粋)」のティンパニを演奏し、それぞれで楽しく充実した時を得ることができました。
ホルン協奏曲は私のオーケストラ仲間で家もご近所、仕事上でも付き合いの深いM君がソロを吹きましたが、難しい楽器を軽やかに見事に操って聴衆から大きな拍手を浴びていました。
モーツアルトはクラシック作曲家の中でもひときわ輝く特別の存在となっています。わずか35年の生涯に600曲以上の作品を残していますが、その数の多さで評価されているのではなく、他の誰とも違う彼にしかない魅力がファンを惹きつけてやまないと言われているのです。
モーツアルトの音楽は基本的に明るく平明で、聴く人の耳に心地よく響きます。その譜面は見たところそれほど複雑ではありませんし、特別なハイテクニックを要求されるわけでもないのですが、作りがシンプルが故に小細工やハッタリが許されず、本質に迫った音楽表現が求められます。
プロの音楽家でも、モーツアルトをきちんと演奏できなければ尊敬されない(たぶん)のです。ましてやアマチュアにおいては、その境地に至る難しさは、やればやるほど痛感するものがあります。
私が素人指揮をしていて良かったと思うのは、彼の多くの作品にじかに触れる機会が数多く得られたことです。まことに残念ながら、モーツアルトの曲に打楽器の出番はそう多くありません。私の音楽活動が打楽器奏者としてだけだったとしたら、大学時代から今まで演奏機会があったのは僅か2曲、オペラ「魔笛」の序曲と今日のレクイエムのみですね。まあ、たまたま巡り会わせがそうだったということですけれど。
ところで、昔見て笑った小話。学校の音楽のテストで「モーツアルトは少年の頃、何と呼ばれていたか」正解は「神童」でしょうが、友人はこう答えた。
「モーちゃん」