閏日生まれの画家日々雑記
20120229
2月29日に生まれた人は、4年に一つしか年を取らない…なんて子供の頃に言ったりしましたね。閏年以外の年に誕生祝いをする日は、前日の28日なのか、それとも翌日の3月1日なのでしょうか。
2月29日生まれの有名人を調べてみますと、
ロッシーニ(1792年生まれ、イタリアの作曲家)
バルテュス(1908年、フランスの画家)
マキノ雅弘(1908年、映画監督)
兼高かおる(1928年、旅行ジャーナリスト)
原田芳雄 (1940年、俳優、先日亡くなったばかり)
赤川次郎 (1948年、作家)
飯島直子 (1968年、タレント)
というような方々がいらっしゃいます。
バルテュス。ご存知ない方が多いかと思います。私も大して知識はありません。唯一、ワインつながりで1枚の絵を知っているだけです。
ボルドーの銘醸、超高級ワイン「シャトー・ムートン・ロートシルト」のラベルは、毎年異なった著名な画家による絵を採用することで有名です。ダリ、ミロ、シャガール、ピカソ、ウォーホルら錚々たる画家たちが、このワインのために絵を提供しています。(その報酬は、ムートン1樽だそうです)
1993年に白羽の矢が立ったのが、バルテュスでした。彼が描いたのが、写真左の少女の絵です。(いったいこの絵は、完成品なのでしょうか…?絵心の乏しい私には、どう見ても描きかけにしか思えない)
ところがこの絵が、児童ポルノではないか、とアメリカで物議を醸しました。結局アメリカではこのラベルでの販売が許されず、ムートンは仕方なくアメリカ輸出向けに「無地」のヴァージョンを出荷することになり、この年だけは2種類のムートンが存在することになったのです。
以前にある人から、お子さんの生まれた年(93年)のワインを注文いただいて、探した末にこのムートン(オリジナルラベル)をお届けしたことから、このエピソードを知りました。お子さんが20歳になったら開けてお祝いをする、と言っていましたので、来年には熟成し飲み頃を迎えた銘酒を楽しまれるのでしょう。
ちなみにバルテュスは来日したとき出会った日本人画家、出田節子と結婚していますが、節子夫人もムートンのラベルを委嘱されており、夫のバルテュスよりも2年早く、91年のラベルを描いています。
関連リンク: ムートンのラベルを描いた画家たち