「春香」プレコンサート音楽ばなし
20110620
しゅんこう、と読みます。韓国に伝わる悲恋の物語「春香伝」を、作曲家高木東六が戦後間もない時期にオペラにしました。来年6月、伊那市でこの作品が10年ぶりに市民オペラとして上演されます。
その一年前イベントとして、オペラに参加するオーケストラ(伊那フィル)、合唱、舞踊のメンバーと2人の独唱者によるプレコンサートが行われ、私が指揮をしました。
(来年のオペラ本番はプロの方が指揮します)
「春香」プレコンサート
6月19日 長野県伊那文化会館
ロッシーニ:「セヴィリアの理髪師」序曲
シューマン:4つのホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥック
ドニゼッティ、團伊玖磨、ヴェルディ、ビゼーのアリア4曲
高木東六:「春香」より第1幕、第4幕のそれぞれ冒頭部分
ほか
指揮 春日俊也
独唱 奥村桂子s、藤森秀則br ピアノ 奥村夏樹
伊那フィル、春香合唱団、春香舞踊団
今回「オーケストラピット」の中で初めて演奏した伊那フィルです。指揮して感じたのは、歌が遠いこと。なかなか声も飛んでこないし、反応が見えづらい。向こうからも指揮があまり見えなかったようです。独唱との合わせは、リハの中でだんだん勝手が分ってきて、何とかうまくできたかな。
舞踊の人たちは、とてもカッコよかった。ずいぶん練習されたと聞きます。
オケは限られたスペースの中で、いつもと全く違う並び方をしましたが、こちらはあまり違和感を感じることなく演奏できたように思います。客席にはどんなふうに聴こえていたかわかりませんが…
言うまでもなく、普段から馴染みのあるような曲ではありません。スコア(指揮者用の総譜)は、広げれば新聞一面の大きさで厚さはタウンページ並み、中身はごちゃごちゃの(失礼)手書き、で読むのが大変でした。今回は合唱部分のさわり、十数分を演奏しただけでしたが、半年後には全4幕すべてを音にしていく練習が始まります。どんなことになりますやら。
前半のオケ単独ステージでは、私の大好きな「セヴィリア」と伊那フィルの大声軍団ホルンセクションを前面に出した「コンツェルトシュトゥック」を演奏しました。シュトゥックのホルンは難曲として知られますが、本番の集中力もありソロ、オケともに力をよく出せたと思います。
この日は中学生の次男を連れて行き打楽器の助っ人をさせました。彼のオケデビューです。日頃やっている吹奏楽とオケの演奏感覚の違い、難しさを味わったことと思います。
進行も含めて四方八方に気を配りながらのコンサートを仕切るのは、経験の浅い素人指揮者にはもう目が回るようでした。楽しんでいただけたでしょうか。
関連リンク: オペラ「春香」成功願う (長野日報)