「おいしいことなど徒然と」

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英国王のスピーチ読んだり見たり

20110503



ゴールデンウィーク真っ最中。前半戦は雨にたたられましたが、今日からの後半戦は今のところ何とかお天気も保っています。県外車も目立ちます。


ロイヤルウェディングでイギリス王室がホットな注目を集めています。ちょうどタイミングよく、話題の映画を少し前に観てきました。アカデミー作品賞をはじめ、7部門を受賞しています。


(ネタバレあります)


幼い頃から吃音と極度のあがり性に悩む英国王子ヨーク公。いろいろな治療を試したがうまくいかず、妻の勧めで、ある言語療法の専門家にお忍びで指導を仰ぐ。最初は彼の型破りな治療に当惑するが、だんだん2人の間に心が通い合い、吃音は少しずつ回復していく。


一旦は王位に就いた兄が、離婚歴のある女性との交際で退位することになり(世に言う「王冠を賭けた恋」事件)ヨーク公は国王ジョージ6世として即位する。その頃欧州はナチスの台頭に脅かされていたが、ついにドイツ軍が侵攻し、第二次大戦が勃発した。王は開戦にあたって国民を鼓舞し、心を一つにするため、絶対に失敗の許されないスピーチに臨むこととなる。


いかにも英国風に、信頼、友情、責任という堅いテーマを品格とユーモアあふれる映画に作り上げています。


よく言われますが、イギリスの王室ってのはフランクですね!こうした内容の映画が日本で撮られるかといえば、もちろん考えられません。国民との距離が本当に近いと思います。ダイアナ妃の例を引くまでもなく、それが良いことばかりでないのはもちろんですが。


さて前評判が大変高かったので大いに期待して観ましたが、俳優たちの演技がそれぞれ素晴しかったと思うのですよ。(ハリーポッターの魔女ヘレナ・ボナム・カーターが、こんなに魅力的な人だとは知らなかった!)しかし、脚本が、いまひとつかな。


この映画のクライマックスは、戴冠式でのスピーチに持ってくるべきだったのでは。ここを肩透かしのようにすっ飛ばして、開戦のスピーチまで引っ張ったのは、どうよと思いました。結婚式の中継でも見られた戴冠式の式場の荘厳さ、素晴しさが俯瞰で見事に撮られていたのに、もったいないな。


ちなみに実際のジョージ6世の戴冠式には、作曲家ウィリアム・ウォルトンが名曲「クラウン・インペリアル」を献呈しています。私が打楽器を始めたときに演奏した思い出深い曲で、これは全く私の我儘にすぎませんが、ちょっとでも聴かせてほしかったね。結婚式では終了後、主役たちが教会を出てパレードに向かう場面で演奏されていました。


そして重々しい開戦のスピーチに重ねられた音楽は、なんとベートーヴェン交響曲第7番の第2楽章。曲調はそれは良いでしょうが、敵国ドイツの曲をここで採用したのは、この曲にドイツの軍靴の響きを重ねたってわけですか?(映画でこんな重要な場面に流れる曲を無頓着に選曲する筈がないもの)それは…ベートーヴェンの音楽に失礼というものでは。


短時間でバタバタと慌しい中でのスピーチ…確かに緊張感あふれ、歴史的にはもちろん重要な出来事ではあっても、物語の組み立てとしては物足りなさを覚えました。


最後の場面での誇らしい笑顔で、国王の務めを見事に果たした堂々たる風格を見せていましたが、調べてみると、王は吃音を完全に克服できたわけではなく、晩年には大事なスピーチを全うできなかったりしたこともあるようです。


ご承知の通り、彼はいまのエリザベス女王の実父です。56歳という若さで亡くなったのは、もともとあまり丈夫でなかったところへ兄から突然王位を渡され、重責に心身ともに疲弊したこともあるのでしょう。誠実で責任感の強いひとだったそうですが、映画でも彼の人間性はうかがい知ることができます。


期待が大きかっただけにちょっと残念でした。繰り返しますが、出演者の演技は見ごたえがあり満足していますので、決してつまらない映画というわけではないですが。





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