参入拒んで70年 飲みもの、お酒
20250324
お酒の免許について、先週はじめの新聞記事が話題になっているようです。私も知りませんでした。
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(日経新聞)日本酒業界に岩盤規制が横たわっている。国内向け製造の新規免許を認めないルールがおよそ70年続く。既存酒蔵の保護を優先し国内市場はピークの5分の1まで縮小した。酒造りを志す若手は免許を持つ事業者を負債ごと買収するといった例外的な方法でしか参入できず不満を募らせる。新陳代謝を拒んでは世界のSAKEブームに乗り遅れる。「業界を守るはずの制度は役割を果たしているのか」。
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酒類の製造、卸売、小売にはそれぞれ免許が必要で、当社もアルコール全般の小売免許を取得しています。卸小売の免許取得には昔はハードルが高かったのですが、今では認可されやすくなりました。ビールやワインなどの製造免許がぐっと取得しやすくなり、全国各地でマイクロブルワリーや新しいワイナリーができていることは皆さんご存じの通り。それぞれ地域おこしにも貢献しています。
しかし日本酒には大きな参入障壁が横たわっていて、これまで70年にわたって新しい酒蔵設置は許可されていないというのです。過去の負債まで含めて既存の酒蔵を買収するしか新規参入の方法がない、というのは誰しも首をかしげるのでは。
世界へ日本酒を売り込もうという積極的な動きが盛り上がっている一方で、国内では酒蔵の数・製造量ともにずっと減少してきている現状があります。酒文化を支えてきた、今も支えている既存の酒蔵を何らかの形で保護することは必要だと思いますが、新規参入を排除するという手段がふさわしいかどうかは議論の分かれるところでしょう。
意欲的なチャレンジャーの参加によって市場が活性化し、業界全体の底上げにつながっている例は山ほどあります。このために苦境に陥る蔵も中にはあるかもしれませんが、国内外の日本酒愛好者を増やし、消費を拡大するためには避けて通れない道ではないかと感じます。こういう声は既にあちこちから上がっていて、政府もだんだん参入障壁を緩和しようと考えてはいるようですが…
日経の記事は会員限定で規制の内容や解説は読めません。より詳しい解説がnoteにありましたので、リンクしておきます。
関連リンク: 日本酒の製造免許と新規参入について