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ウナギ完全養殖 実用化近づくうな丼の未来

20240724

土用丑の日。嬉しいニュースをご紹介しておきましょう。

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(日経MJ)ニホンウナギの完全養殖技術が実用化に一歩近づいた。水産研究・教育機構(横浜市)を中心とする研究グループが、5つの突破口で人工稚魚の生産コストを8年前の22分の1に下げた。自治体の試験場や企業にノウハウを提供し、商業レベルの技術確立を促す。
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現在各地で行われている「ウナギの養殖」は、卵を孵化させることではなく、ウナギの稚魚(いわゆるシラスウナギ)を河口などから採取し養鰻池で育てることを指します。乱獲や生息環境の悪化によって稚魚の採取量が減少したことが、近年のウナギ生産量の低下につながっています。


稚魚が水面下で闇取引として高額で売買され、乱獲の一因となっています。驚くべきは日本のシラスウナギの4割が出所不明、つまり密漁や密輸入で、反社団体のおいしい資金源になっていると言われますが、なかなか尻尾を捕まえられずにいるようです。


いま研究が進められている「完全養殖」は、卵から育てた親ウナギに次世代の卵を産ませ育てる再生産サイクルのことで、資源保護の救世主として注目されています。しかし完全養殖の技術自体はできているのですが、コストが流通消費に堪えるものになっていないのです。


卵から成魚になるまでに膨大な個体が死んだり、エサをうまく与えられなかったり。(彼らは大変好き嫌いが激しく、サメの卵なら食べるとは分かったものの、もっとコストの安い餌がなかなか見つからなかった)2016年までの生産コストは、一尾4万円以上かかっていたといいます。


それが近年の研究により、母ウナギに与える栄養の工夫から始まって身近な原料による餌の開発、大型水槽を使った量産化、自動給餌システムで人件費を減らすなど、さまざまな問題解決でコストダウンが可能になりました。今では生産コストは1800円まで下がり、天然稚魚との差がだいぶ縮まってきたのです。(それでもまだ3倍くらいの差はある)


味は現在流通しているウナギと遜色ないといいますから、いよいよ実用化も見えてきたと言っていいでしょう。ウナギの価格が高騰しておいそれと口に入らなくなったのはあくまでも結果であり、もっと大事なのは持続可能な資源利用です。ウナギが絶滅し、いくらカネを積んでも食べることができなくなる前に、何とかこのサイクルを技術的にも経済的にも成功させてほしいと切望します。

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