井上、閉店へ日々雑記
20240427
松本を、いや長野県を代表する百貨店、井上。来年3月末で店を閉めると発表がありました。松本市民にとっては(たぶん)ショッキングなニュースではありますが、時間の問題だと思っていた人も少なくないのでは。
築45年を経た建物が老朽化し、設備更新にかける費用と期待される収益のバランスが取れないと見込んだのでしょう。松本近郊の山形村に2000年開業した大型SC「アイシティ21」が好調なだけに、経営的にはやむを得ない選択だろうと思います。
中心市街地にある昔ながらの店舗の元気のなさは、ごく限られた機会にしか訪れない私にも感じられました。数年前のバレンタインデー直前の日曜日、たまたま夫婦で松本に来ていて、特設チョコレート売り場を覗いてみてあまりの人の少なさに驚きました。人々に夢を売るデパートがこれじゃ…と二人で顔を見合わせてしまったことを昨日のように思い出します。
閉店するデパートは全国でも相次いでいます。今年1月には松江の「一畑百貨店」が60余年の歴史に終止符を打ち閉店しました。この店には3年ほど前に行く機会があって和菓子を何種類も買ったりしました。そんな寂れた店とは感じませんでしたが。
島根県は山形、徳島に続いて全国3つ目の「百貨店のない県」になってしまいました。長野県では駅前の「ながの東急」が唯一?気を吐いていますが、諏訪の丸光や上田西武などは何年も前に閉店しています。地方都市における百貨店は、車社会で郊外店に客を奪われ、品揃えでも若い人を繋ぎとめることができずにどこも苦戦していると聞きます。
いっぽう大都市では、百貨店は流行の発信地として依然、大きな存在です。私だって東京で時間があればデパ地下には必ず寄ってみます。コロナ禍で大ダメージを受け、最近はまたインバウンドや株高を受けて盛り返していると聞きますが、コロナ前の勢いを取り戻しているのでしょうかね。
松本の中心市街地はシンボルだったパルコ(来年2月閉店予定)に続き、井上という核店舗を失うことになりました。今後のまちづくりをどうやっていくのか、関心を持って見ていきたいと思います。