「おいしいことなど徒然と」

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福田和也氏のいま(2)読んだり見たり

20230622

本書は「男はとんかつである」という一章から始まり、居酒屋、蕎麦屋、洋食屋など18軒が取り上げられています。ほとんどは老舗で、福田氏が体を壊すずっと前から贔屓にし通い詰めていた店です。(私が行ったことのある店は一軒だけ)


どの店に行っても必ず飲酒しているのは相変わらずで、昔のような暴飲はさすがにできないでしょうが、大丈夫かなと余計な心配をしてしまいます。氏の大好きなフレンチやイタリアンが取り上げられず、あれほど飲んでいた高級ワインが本書にまったく登場していません。もちろん理由があるのでしょう。


福田氏は以前から、新しい店を開拓することには興味がない、と公言しています。「コロコロ色んな店に行って、色んなメニューを食べてても、そりゃ目先は変わるだろうけど、本当に旨いものを食ってることになるのかね」(『罰あたりパラダイス』より)。


世間にあふれるグルメ情報を見ながら新しい店に行きたがる人(私も)には少々耳が痛くもあります。それまで散々色んな店に行き色んなメニューを食べた上での発言ですから、今更目先を変える必要もないのでしょう。食に対しても保守を貫いているのは大したものです。


コロナ真っ最中に雑誌に不定期連載されたものらしく、飲食業いじめとしか思えなかった当時の理不尽な規制に怒りを抑えられない記述が随所に見られます。その中にあって苦闘しながら店を続けてきた店主たちの、常連客への感謝の言葉は共通しています。


「保守とは横丁の蕎麦屋を守ることである」というタイトルはここから来ています。馴染みの店が暖簾を下ろすのをただ嘆いていても、どうにもなりません。支えて守っていくのは私たちです。


正直な印象ですが、文章には以前のような迫力があまり感じられません。今の福田氏の精一杯なのかもしれません。戻ってきてくれたことは嬉しいですが、遊びと仕事をフル回転でやっていたときの冴えをまた見せてほしいと思います。

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