バベットの晩餐会(1)読んだり見たり
20230209
「食」を扱った映画は数多く、私も好んで観ています。お取引先のS商事の方々と食事しているとき、好きな映画の話題になり、これまで観た中で大好きな一本としてこの映画をご紹介しました。いずれ本欄で書こうと前から思っていたのですが、ちょうどいい機会、取り上げてみましょう。
1987年製作のデンマーク映画です。時代はさらにその100年ほど前。貧しい寒村に暮らす老神父と、美しい二人の娘。若い将校や情熱的なオペラ歌手など何人もの男性が娘と交際しようとしますが、厳格な神父は娘を男性から遠ざけ、娘たちは信仰に人生を捧げるべく独身を貫きます。
月日は流れ、姉妹のもとにバベットというフランスの女性が革命で追われ流れ着きます。バベットには身寄りも財産も無く、無給でいいからこの教会で働かせてほしいと懇願し、姉妹は彼女を受け入れます。やりくり上手なバベットのおかげで、教会には少しずつ金銭的余裕が生まれ、それまで工夫もなく粗末だった食事も改善されてゆきます。
姉妹も老境に入って、教会に集まる村の信者たちもだんだん偏屈になり、毎週の集会でも口論が絶えない有様でした。姉妹はまた昔のような仲良い集まりにしたいと思い、老神父の生誕百年を記念したささやかなお祭りを計画します。
そんな時。バベットが故国とのよすがに買い続けていた宝くじが1万フランの大当たりをしました(今のお金でどのくらいになるのでしょうか。500万円くらいか?)。このお金でバベットがフランスに帰国してしまうだろうと落胆していた姉妹に、彼女は提案します。「百年祭の御馳走を、どうか私に作らせて下さい。費用は私が払います」
姉妹は今まで頼み事をしたことのないバベットの願いを聞き入れます。バベットは食材買い出しのため、休暇をもらいパリに出かけます。意気揚々と帰ってきたバベットが手配した食材を見て皆は仰天。村では見たことも聞いたこともない、生きた海亀やウズラ、大きな氷柱、高級ワイン。とんでもないものを食べさせられるのではと村人は震え上がります。…
これ以上書くとネタバレになりますので(既になっているか?)ここには書きませんが、結末まで詳しく知りたい方はリンク先のサイトをご覧ください。次回記事で、私の思うこの映画の魅力を書きましょう。
関連リンク: シネマルシェ(映画感想レビュー&考察サイト)