ジュリエットあれこれ日々雑記
20230116
ジュリエットの話を書いたついでに、小ネタをいくつか出しておきましょうか。ロミオ(イタリアではロメオ)とジュリエットのお話は、ゼフィレッリの映画以外にも様々な分野で名作を生んでおります。
映画の話からいきますか。1936年以来7回ほど映画化されているそうで、最近では96年ロミオ役ディカプリオで作られています。つい先日BSで放映され、やけにタイムリーだと思いましたが、ゼフィレッリ監督のものではなかったのですね。昨年リメイク版が公開された「ウェスト・サイド物語」がNYを舞台に翻案した話なのはご存知の通り。
「恋に落ちたシェイクスピア(98)」はアカデミー作品賞を受賞し私も大好きな映画で、ロミオとジュリエット初演に至るまでの裏話的なストーリーです。当時の英国では女性が芝居の舞台に立つことが風紀上の問題だとして禁じられていました。芝居大好きな女性(グウィネス・パルトロー、とてもいいです)彼女は売れっ子劇作家若きシェイクスピアの大ファン。二人は恋仲となりますが、一方で冒険心から男だと偽って変装し、舞台に立つようになります。抜群の演技力で「ロミオ役」を演じることになったのですが…この映画を観た人が周囲に少なく、語り合えないのが残念。
音楽作品にもたくさんありますよ。もっとも有名なのは以前ソフトバンクのCMに使われて誰もが耳にしているプロコフィエフ作曲のバレエでしょう。素晴らしい曲だと思います。中でも「タイボルトの死」は凄まじくドラマティックな曲で、一度演奏してみたいと熱望しますが、編成は大きいし技術的にも伊那フィルには難しいですなあ。
チャイコフスキーの幻想序曲「ロミオとジュリエット」はしばしば演奏され、自分でもやったことがあります。ベルリオーズの同名曲は聴く機会がまだありません。オペラではベッリーニの「カプレーティとモンテッキ」は昔スカラ座の来日公演で観たほか、ソプラノのアリア「ああ、いくたびか」は伊那市出身の歌手、白鳥千絵さん独唱の伴奏オケを振りました(14.1.13)。
物語の舞台となるヴェローナは北部イタリアでミラノとヴェネツィアのほぼ中間に位置します。「ジュリエットの家」なる観光名所がありますが、本物のジュリエットが住んでいたわけではないようです。夏には野外劇場で世界的なオペラ祭が催され、私も「アイーダ」を観る機会がありました。
ヴェローナ駅に到着してホテルを探したのですが全然空部屋がなく、大きな荷物を持って2時間近くウロウロした末に諦めてヴィセンツァという隣町まで電車で戻ってようやく宿を取り、またヴェローナまで戻るという始末でした。夜9時に始まったオペラが終わって駅で電車を待ち、宿に着いたのは午前2時半頃だったかな。そんなこんなでヴェローナの街は正直、ほとんど記憶にありません。当時はワインの知識もほとんどなかったので、名産のヴァルポリッチェラもソアーヴェも飲まずに来てしまいました。