RRR読んだり見たり
20221127
東京に住む妹がインドにはまっており、インド映画をしきりに勧めてくれます。これまで観たことがなかったのですが、先日ようやく話題作「RRR」を観てきました。
インドが映画大国であることは知っていますし、その特徴もおおむねわかっています。人物も演出もとにかく「熱くて濃い」こと、登場する人が突然歌い出し踊り出すこと、など。初めて観たインド映画、まさしくその通り、王道をゆく大作でありましたな。
時代は英国統治下。圧政に苦しむインドの民。二人の男が立ち上がる。彼らは熱い友情に結ばれ、しかし立場を異にするゆえ戦わなければならない。彼らの運命はいかに!というお話です。女性も出てきますが、基本的に男の映画です。
二人ともスーパーマンなのです。一人は警察官でインド人民を弾圧する側。出世を夢見て任務にまっしぐら。映画冒頭、イギリス領事?官舎に抗議に押し寄せた数百人の群衆相手に、警棒一本で単身飛び込みボコボコもみくちゃにされながらも投石した男を追い詰め逮捕する。もう一人は田舎に住み、仲間と森の中へ狼狩りに出かけ、狼どころかトラと遭遇してしまい、素手で死闘を繰り広げついにトラを生け捕りにする。
この二人がたまたま列車事故の現場に居合わせ、絶体絶命のピンチだった少年を協力して救い出したことから(あっさり書きましたが、人間業ではない)二人はお互いを認め合い信頼し、固い友情が生まれるのです。身分違いの恋を応援したり、毒蛇に噛まれて瀕死の相手を献身的に助けたり。しかし相手の正体を知ったとき、彼らは戦わなければならなくなります。
このスーパーマンたち、どんなにダメージを負ってもすぐによみがえる。プロレスラーだって10回は死んでいるのではというひどい目に遭わされても、驚異の回復力や薬草の力(笑)で、超人パワーが戻ってしまいます。
そしてお約束の歌と踊り。私はミュージカル好きなので、映画の真っ最中に主人公が突然歌い出し踊り出しても別に違和感は感じません。歌は役者が自分で歌っているのかな?踊りはお見事です。二人の主役たちがインド映画界でどんなポジションなのか全く知りませんが、どの映画でもみんなこの調子で踊ってるんだったら、インドの俳優さんは凄いですねえ。
3時間の長い長い映画はとにかく饒舌で、退屈することもなく大変楽しめました。登場人物の顔つきが似ていて(みんなヒゲ面)人物がわかりにくいのが玉にきず。イギリスの圧政描写は容赦なく、英国人にはさぞかし腹の立つ映画だろうと思いますが、興行成績はわるくないというのが不思議です。あくまで極悪な代官のしでかす仕業であって、イギリスそのものを悪く描いてるんじゃない、と割り切って観ているのでしょうか。
タイトルの「RRR」はどんな意味なのか、多くのサイトで解説されていていろんな意味があるそうですが、しっくりきません。アールアールアール、でなくて「トリプルアール」と読ませたらいかが? 関係ないですが同名のステーキハウスが東京にあって、以前行ったことがあります。3種類の異なる牛を食べさせてくれて、なかなか美味しかったと記憶します。
おっと、インドでは牛肉はご法度でした。
関連リンク: RRR 公式サイト