うな重、宇宙へ飛ぶうな丼の未来
20211214
「うな丼の未来」シリーズ記事を時折書いておりますが、一足飛びにここまで未来へぶっ飛んでしまうとは、予想しておりませんでした。宇宙ですぞ、宇宙。
主人公は有名な岡谷市のうなぎ店「観光荘」の社長、宮沢健さん。私もこちらで食事したことありますよ。宮沢さんはうなぎの蒲焼を宇宙食として届けたいという夢を持ち、その実現に向けて着々と歩みを進めているのです。(リンク先の記事をお読みください)
極地探検家の講演を聞いて極地での食に関心を持った宮沢さんは、JAXAが「宇宙日本食」を公募していることを知りました。宇宙と言ったら極地中の極地。大手の食品会社に交じって説明会に参加する中で、宇宙飛行士たちから「宇宙でうなぎを食べたい」というリクエストを直接聞いて「神の啓示」と感じたそうです。
宇宙食として採用されるには厳しい衛生基準を満たさなければなりません。折しも自店でHACCP導入に向けて動いていたときで、両者には共通性がありました。製造工程で協力してくれる企業も見つかり、膨大な書類提出と格闘しながら2021年9月、JAXAの宇宙日本食1次審査にみごと合格したのです。
このあとは長期保存の試験があり、来年9月にその結果パスできれば、晴れて宇宙日本食の認証を受けることができます。いやあ楽しみではありませんか。
先月末、宮沢氏と松本工業高校の生徒たちとが共同プロジェクトを立ち上げ、成層圏まで飛ばした気球に「うな重」を搭載し撮影した、という話題が報道されました。気球から地球を撮影する企画は何年も前に飯田市の高校で実施され、本欄昨年11月29日の記事でその話を書いていますが、今回はうな重が乗り込んでます!何のためにわざわざうな重を載せたのか新聞を読んだだけではよくわかりませんでしたが、こういう話があったのですね。
ただし、ご飯の部分は発泡スチロールで作ったダミーであった由。どんな事情があったのでしょうか?宮沢氏も忸怩たる思いをされたとは思いますが…
思いもよらぬ「うな丼の未来」。日本人宇宙飛行士たちが宇宙空間でうなぎに舌鼓を打つ様子を早く見たいものです。