「おいしいことなど徒然と」

社長ブログ

ミートショックしごと

20210925



半導体がない、木材がない。世界中でさまざまな産業を支える基幹部品や資源の不足が起こっています。私たちの日々の生活の糧である食品もまた然りです。


ニュース番組を見ていたら、アメリカ産牛肉の高騰の話をしていました。

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(テレ朝news)新型コロナなどの影響で、“ミートショック”と呼ばれる輸入牛肉の価格高騰が起きていて、飲食店などでの値上げが相次いでいます。牛たん焼きが人気のチェーン『ねぎし』では、定番メニューの価格を、600円引き上げて、2450円に値上げしました。牛丼チェーン『松屋』では、一部地域で扱っている牛めしの価格を、28日から60円引き上げて、380円にすることを決めました。
“ミートショック”の影響は、飲食店にとどまらず、家庭の食卓にも影響が出ています。東京都内のスーパーでは、アメリカ産の牛肉が2割程度、値上がりしたということです。
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記事にリンクを貼りました。番組では時間の制約があり原因の一部しか書かれていません。価格の高騰は、要は品不足ということです。産地で生産加工に携わる労働力の不足、輸送するコンテナの不足、そして原料の高騰に対応できない日本の長期化するデフレ。これらがコロナのためからみあいながら一気に噴き出していると思われます。


産地の労働力不足は、以前から私たちの業界では情報として入っています。牛肉だけでなく鶏肉加工品、水産品の一部などはそのため既に品薄となり、また食用油脂はこれまでになかった凄まじい値上げが続いていて、当社のお客様にもご迷惑をおかけしています。


原価が高くなれば、高い値段を払わなくては購入調達できません。ところがわが国で食品末端価格の多くは20年以上ほとんど変わることなく据え置かれていて、流通業界にも安く買って安く売ることが正義だという空気ができてしまっています。消費者もそれに慣れっこになりました。


その裏ではこれまでもさまざまな場面で、日本の輸入商社が食品原料を海外に「買い負け」してきているのです。高くても買ってくれて、品質には極端に神経質でない中国などにモノを取られてしまうのは当たり前。


そうは言っても品切れさせられないと、多くの人たちが無理をして安さばかりを追求しているのが近年の食品業界と言っていいでしょう。先日も某巨大スーパーがPB商品の値段を据え置くとか発表していますが、彼らは身を削ってなんぞいない、バイイングパワーで仕入れ価格を上げさせずに関係業者を泣かせているだけです。


500円を切る価格で普通に昼食を食べることのできる日本は先進国の中でも珍しいといいます。確かに便利でありがたいことですが、不自然に無理を重ねている側面も見なくては。業界のせいばかりではなく、いつまでたってもデフレから脱却できない経済無策のなせる現状だろうと思います。政治はしっかりしてくれよ。

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