水害に思う日々雑記
20210709
熱海の土石流災害。発生から何日も経ちましたが、依然多くの人たちが行方不明になっており、さらに被害が拡大することが心配されます。
ものすごい勢いで流れてくる土砂の映像に、私も肝をつぶしました。あれでは逃げる時間もない。土石流は海まで到達していて、その途中にある新幹線や東海道本線によく被害がなかったものだと思います。土砂は高架下の空間を流れていったとのことですが。
熱海に行ったことはもちろん何度かあります。あの斜面にへばりつくような建物群に不安を感じなかったわけではありません。今回は土石流発生場所の盛り土がいろいろと取り沙汰されていて、人災なのではと言われています。山の急斜面にあれだけの土(廃棄物込み?)を積み上げては、さすがに何が起こっても不思議はないのでしょう。
ここ1日ふつかは山陰地方や広島などに前線が移動していて、災害が既に起きていてもおかしくないような状態です。昔から梅雨のこの時期にはよくあることで、伊那谷でも昭和36年に「三六災害」と呼ばれる豪雨による河川の氾濫や土石流があり、死者行方不明136人、家屋の被害1500戸と歴史に残る惨事となりました。私の生まれる少し前のこと。
治山治水の対策は毎年続けられてきているわけですが、急峻な地形の多い国土をことごとくコンクリートで固めるわけにもいかず、万全の備えをとろうにもそれを上回る雨にはかないません。この地に住む宿命と言わざるを得ない。昔なら災害の危険が大きく家を建てるエリアでなかった土地が次々に開発されている現状もあるのでしょう。
「線状降水帯」という言葉は最近使われるようになりましたが、雨のレーダー画像で見るとすごいものですね。赤いマークがぴたりと張り付いて動かない。日本地図の中で、誰のいたずらか悪魔に魅入られたエリアになったよう。不運にも選ばれてしまったらもう布団をかぶって震えるしかない(比喩表現ですよ、もちろん避難しなければ)ですね。
被害を受けた方には本当にお気の毒です。自分の住む土地もいつ同じような状況になるかわからないと思っていなければ。
関連リンク: 三六災害アーカイブス(国交省)