むぎゅー日々雑記
20210603
禁断の行為。本当にやる人、おるんだ。
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(朝日新聞) 奈良県警西和署は5月31日、スーパーで果物などを指で押しつぶしたとして広陵町古寺の無職の男(71)を器物損壊の疑いで逮捕し、発表した。「ストレスや悩みを解消するためだった」と容疑を認めているという。署によると、男は10日午後6時25分ごろ、上牧町のスーパーで、キウイやバナナ、パプリカ計16点(4145円相当)を指で押しつぶした疑いがある。
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容疑者は近所で一年前まで鮮魚店を営んでいて、このスーパーの魚の品質が向上していたことに悩んでいたとのこと。店を畳んでから一年もしてのご乱心、相当根に持っていたのですねえ。
スーパーの陳列商品を指で押しつぶすといえば、伊丹十三監督の映画「タンポポ」でしょう。夜遅く、津川雅彦扮する店長がひとりで高級そうな食料品店の店番をしています。そこへ現れたお客の老婆(原泉)、あきらかに挙動が不審です。
店長の目を盗み、おいしそうな桃を手に取っていじくり回し、両手の親指でグイグイと押してぐちゃぐちゃにしてしまいます。気づいた店長が追いかけますが、逃げ隠れしながらカマンベールチーズやらパンやらを次々と押しつぶしていきます。最後には現場を押さえられ、ハエ叩きで手を叩かれて御用。
さまざまな食エピソードを詰め込んだ映画の中で、多くの人が「やっちゃいけないんだけど、本当はやってみたくてむずむずする」ことを実際にやらせたエピソードでした。
この行為、実際にやってみたいかと言われれば、どうでしょう?子供じみており、それほど魅力的とはいえないかな。奈良の事件の容疑者は自ら仕事として食品を扱っていたわけですが、犯行中は恨みを晴らす気持ちはともかく、つぶすこと自体に果たして気持ちよさを感じていたのでしょうか。