ぼったくり男爵日々雑記
20210511
IOC会長トーマス・バッハ氏のことですよ。散々な言われようです。米紙で、コロナでこんな状況の東京はもうオリンピックを返上したらどうか、との記事が書かれているそうです。代表的なワシントンポストの記事で、バッハ会長を「ぼったくり男爵」と呼んでおります。
「ぼったくり男爵」とは原語で何といっているかと思いましたが、Baron Von Ripper-off だそうです。Ripperは切り裂きジャックJack the Ripperに使われている単語です。私の辞書では切り裂くという意味は載っていますが、ぼったくるという意味までは出ていません。Ripper-offでぼったくるというスラングがあるのですね。
何がぼったくりか。言うまでもなく、IOCと開催地との不平等条約のことを指しています。収益の多くはIOCが持っていき、費用はまるまる開催地に押し付けられる。実施か中止かを決める権限は一方的にIOCにあり、開催地はその指示に従うしかない。さもなくば莫大な違約金を払うことになる。
それを承知で手を挙げたのだから仕方がないだろうとも言えますが、コロナという全世界を覆う大災害の発生なぞ想定されているはずもありませんから、出来ないものは出来ないと言うしかないでしょう、本当に出来ないのなら。
ワシントンポストの記事は、「(日本が開催を拒否したら)そのときIOCは何をするのだろうか。訴訟を起こすのだろうか。しかし、そのときはどの裁判所に訴えるのか。そもそもこれはどの裁判所の管轄なのか。パンデミックのストレスと苦しみにあえぐ国で五輪を断行しようとしているのだ。そんな訴訟を起こしたとき、IOCの評判はどうなるのだろうか。」と言っています。
まったくその通りだと思いますが、それはあくまで東京が「こんな状況でオリンピックなんかできん」とケツをまくったらの話であって、総理大臣も都知事も頑固に「できる」と言いはっているのだから、IOCが気を使って「そんな無理しないで、やめてもいいんだよ」なんて先に言ってくれるわけないですよ。
それはそれとして、本当に、五輪はできるのか。
関連リンク: ワシントン・ポスト記事 (クーリエ・ジャポン)