「おいしいことなど徒然と」

社長ブログ

米粉のおやき食べもの

20101120

この地ではずっと11月19日、20日が商売繁盛の恵比寿様のお祭りでしたが、最近は土日に合わせて行われるようになりました。


恵比須講といえば、上伊那では「おやき」を食べます。信州の名物とされ、よくテレビにも出てくるうっすら茶色っぽいおやきを、皆さんご存知ですよね。上伊那のおやきは、全然違うものです。


よく知られるうす茶色っぽいおやきは、小麦粉を練って、のして作った薄目の皮に、味噌味の茄子やらかぼちゃやら野沢菜炒めやら、野菜中心の具をくるんで蒸したものです。お米の代用食として食されたと言われています。そば粉を使うこともあるようです。


「上伊那風」は、そもそも皮がお米の粉でできています。上新粉を練った生地の中に小豆のあんこを入れて丸め、蒸して作ります(我が家では茹でますが、蒸すのが一般的かな)。以前はあんこの砂糖に黒砂糖を使ったという話も聞きます。


出来上がりは写真のように、ややぼってりした感じのものです。イメージとしては葉っぱ無しの柏餅に近いですが、でもお餅ではありません(生地を搗く工程がなく、練るだけ)。小豆あん以外のもの、野菜などを入れることはありません。


私は小さい頃からおやきはずっと、この「米粉上伊那風」を指すと思っていて、野菜の入ったものを初めて見たときには目を疑いました。上伊那でも南部の飯島町や中川村には、米粉のおやきはありません。県下でもごく限られた地域の郷土食なのです。


和菓子屋さんでも売っていますし、以前は家庭でも作ったのでしょうが、今では少ないでしょうね。我が家は昔からの商家ですから、今でも恵比須講には必ず作ります。普通サイズのものと別に特大(中華まんくらい)のものを2個作って、神棚に供えます。これは翌日、女衆がいただくことになっています。


素朴な味で、結構お腹が一杯になりますよ。すぐに固くなってしまうので、そのときは焼いて食べたりします。


貴重な郷土文化食だと思うのですが、最近は知らない人も増え、菓子屋さんでの売上も今ひとつだとか…。私はこの「米粉おやき」を復興させたいと前から思っているのですよ。政府も、米粉の消費拡大に熱心なようですし。保存が効かないので、お土産にしにくいのがちょっと残念です。


地元の方も、当地独特のものだとは知らない人が多いと思います。どうやってこの地域に米粉のおやきが根付いたのか、どなたかご存知の方、ぜひ教えていただきたいものです。また何かわかったら、ここでご報告しますね。


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