科学の力で肉を焼く食べもの
20200507
輸入の赤身牛肉を、大人の足の裏みたいな分厚いステーキにカットしたものが、近所のスーパーでここ最近たくさん並べて売られています。ウルグアイ産、カナダ産、オーストラリア産。結構お値打ち価格ですが、まったくサシのない真っ赤な肉で、そのまま焼いて食べては結構固いのでしょうか。
見かけはあまりおいしそうでなく手が出なかったのですが、連休中たまたま回した教育TVの子供番組「すイエんサー」で、赤身肉ステーキのおいしい焼き方をやっておりました。説得力のある解説になるほどと思い、自ら実践してみました。
購入したのはカナダ肉。まず肉をジップロックに入れ、約60℃のお湯で10分間湯煎にします。
生の肉は繊維が強く、食感は固い。加熱すると肉の蛋白質から水分が離れ、脂肪とともに肉の中に溶け出す(肉汁たっぷり)。しかし65℃を超えると蛋白質が縮みはじめ、おいしい肉汁が外に流れ出てしまう。約60℃というのがミソ、だそうです。肉と一緒に温度計も購入しました(300円くらい)。
なるほど、ジップロックの中にドリップがほとんど出ません。これが温度のなせるわざか。
次に肉を引き上げてフライパンで焼くわけですが、このときバターをたくさん使います。肉に含まれている糖とアミノ酸が、焼くとくっついておいしくなるのですが、バターのアミノ酸がさらに加わって(TVでは隙間を埋めるようなイメージだった)すばらしい香りになるのだとか。
焼く時間は表裏それぞれ1分ずつ。既に10分間加熱しているので、ある程度火が通っています。フライパンにかなり多くのバターを溶かし、泡が細かくなったら肉を入れ、スプーンでバターをすくって肉の上からかけてやる。フランス料理でいう「アロゼ」ってやつですな。これにより両面を同時に加熱でき、バターの風味もしっかりつきます。
さあ、できあがり!80過ぎの母も驚くほど、柔らかく美味しく焼けましたぞ。赤身肉をこうして美味しくたくさん食べられるのは嬉しいです。
関連リンク: すイエんサー【赤身肉ステーキ】