ノストラダムス日々雑記
20200725
いま50代以上で「ノストラダムスの大予言」を知らない方はいませんよね。大ベストセラーを書いた五島勉氏が、先月90歳で亡くなっていたそうです。
この本が出たのは1973年ですから、私は小学校6年生。本屋さんで何日かかけて立ち読みしました。
いやあ怖かったですよ。1999年7の月、空から恐怖の大王が降ってくる…あと何年後か指折り数えました。異様なおどろおどろしさに加え、現在の世界が彼の予言通りに進んでいるなんて事例がたくさん。中でも人間が魚と合体したようなお化けの写真(人魚と逆、頭が魚で下半身が人間)と称するやつは今でも覚えています。
当時は「日本沈没」と共に、終末論が大流行でした。日本沈没はたいへんワクワクして読みましたが、こっちの方はジメジメして陰鬱で、ちょっといやあな感じでしたね。恐怖の大王とは?核戦争か、公害にまつわる化学物質か、宇宙からの侵略か。
五島氏88歳のインタビュー記事がネットで読めますが、なかなか興味深いです。
…ミステリーが最後にどんでん返しをするように、初めに全滅するんだと書いておいて、最後になって人類が考え直して逆転して、部分的な破滅で済むんだと、それに向かって努力しなければならないと書いたんです。だけど、ここのところをみんな読まないんです。
…当時の子どもたちがね。まさかこんなに子どもたちが読むとは思わなかった。なんと小学生まで読んで、そのまま信じ込んじゃった。ノイローゼになったり、やけっぱちになったりした人もいて(中略)それは本当に申し訳ない。当時の子どもたちには謝りたい。
今さら謝られても!
本書の少し後に出た人気の本「あのねのね」(中高生の頃に読んだ人、結構いるのでは)に、こんなジョークが載っており、たいへん救われました。
Q、1999年7月に、何がおきますか
A、ウソつきがバレる
こうしたものが多くの人に読まれた時代を感じます。コロナウイルスは、恐怖の大王ではありません。絶対に違います。
関連リンク: 私がノストラダムスを書いた理由(文春オンライン)